昨今、日本でもニュース等で取り上げられることが増え、話題となっているヴィーガン。
先日は小泉進次郎環境大臣のステーキを「毎日でも食べたい」という発言や、国連でスピーチをしたスウェーデン環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんがヴィーガンであるといったことがきっかけとなり、家畜と地球温暖化についての関係が人々に広く知られることとなりました。
ヴィーガンの中には、環境問題に熱心に取り組んでいる人や動物の搾取に関して反対を示している人が目立つため、それに反対する人の意見として「ヴィーガニズムに基づいた食生活に基づいたところで気候変動に対してそんなに影響はない」といったものや「動物性の食品を一切口にしないのは却って不健康だ」といったものがあります。
実際、栄養の知識がないままに動物性食品の摂取をやめてしまうと人体に必要な栄養素が不足してしまい、健康を損ねることに繋がりますが、WHOからは赤身肉の摂取により発ガン性リスクを高めることがあると発表されており、海外ではそういった健康面の問題をふまえてヴィーガンとなる人も多いようです。
では、どのような食生活が健康的で環境にも優しいのか、という点から考えた時に、私はフレキシタリアン(セミ・ベジタリアン)という考え方に辿り着きました。
本記事では、ヴィーガンよりも手軽で健康を維持しやすい、フレキシタリアン(セミ・ベジタリアン)生活について紹介していきたいと思います!
フレキシタリアンとは?
フレキシタリアン(準菜食主義)とは、主に植物性の食物で生活しようとする考え方のことで、Wikipediaの準菜食主義者についての説明では、
準菜食主義者、セミ・ベジタリアン(英:semi vegetarian)、半菜食主義者。デミ・ベジタリアン(英:demi vegetarian)とも。国際ベジタリアン連合は菜食主義だと認めておらず、セミ・ベジタリアンは肉の摂取量が一般の人より少なく、フレキシタリアン(英:flexitarian)は常に菜食というわけではない。(出典:Wikipediaより)
と書かれています。
簡単に言うと、基本的には肉を食べないベジタリアン(vegetarian)の生活で、時には肉を取り入れた食事も摂るという、柔軟(flexible)に菜食主義を取り入れている層を意味する言葉のようです。
ヴィーガンとの違いは?
ヴィーガンは「あらゆる形態の動物への残虐行為、動物の搾取を取り入れないようにする」という考えが基本であり、食べ物や衣類、化粧品等であらゆる動物製品を避けている層を意味しています。
食生活においては、肉・魚・卵・乳製品だけでなく、ハチミツやゼラチン等すべての動物性食品を避けており、日本ではメジャーなカツオ出汁や鶏ガラ・豚骨のスープももちろん避ける対象となっています。
それに対し、ベジタリアンは野菜や穀物、キノコ類や海藻類を中心としながら、人によっては乳製品や卵を取り入れた食生活のことを意味しており、肉・魚以外を摂取しないという点では共通していますが、ヴィーガンの方が動物性の食品を徹底的に避けていると言えます。(このことから、ヴィーガンは完全菜食主義とも言われています。)
ヴィーガンの問題点
ヴィーガンの食生活とアリアナ・グランデが紹介していたエクササイズを毎日行うことで健康的に引き締まった体を手に入れられるというダイエット法、アリアナヴィーガンダイエットを当ブログで紹介し、筆者も実際にヴィーガン生活を2週間行ってみました。
結果として体重は少し落ち、体はかなり引き締まったのですが、日本では欧米ほどヴィーガン食が普及しておらず、外食やコンビニ等で食事を調達する際に選択肢がかなり少なくコストもかかってしまうことから、日本で日常的にヴィーガンの食生活を続けることは難しいように感じました。
また、2週間という短期間の実践だったため健康面では特に問題はないように思われたのですが、長期間(若しくは今後ずっと)ヴィーガンの食生活を継続するとなると、栄養面で様々な問題が発生してきます。
例えば、卵や肉・魚に豊富に含まれるタンパク質は豆腐や豆類からも摂取することができますが、人間に必要な量のタンパク質を確保するためには大量の豆腐や豆類を摂取しなければならず、他の栄養素とのバランスを考えると毎日効率よく摂取するのは難しくなってきます。
また、ビタミンB12は動物性食品に多く含まれているため、通常はあまり意識していなくても不足することはないのですが、ヴィーガンが口にできる食品でビタミンB12を含有しているものが極端に少ないため、毎日摂取するためにはサプリメントが必要になってきます。
その他にも、ヴィーガンの食生活ではカルシウムや鉄分、オメガ3脂肪酸等の栄養が不足しやすくなっているため、毎日の食事でそれらの栄養素を不足しないように摂取するためには栄養についての深い知識が必要であり、ヴィーガンになるのは簡単なことではないように思われます。
なぜフレキシタリアンがいいの?
では、なぜフレキシタリアンの食生活がいいと考えるのか、私なりの意見を述べさせていただきます。
まず、WHOの発表では、加工肉と赤身肉(ここでは牛・豚・羊など「四足動物の肉」を意味します)の摂取は大腸ガンのリスクを上げることが確実とされており、日常的に摂取する量を控えることが必要だと言われています。(赤身肉の摂取は調理後の重量で週500g以内が良いとされています。)
この点と気候変動の問題や動物の搾取等をふまえて考えると、肉を食べるのをやめるべきだと考える人もいるかもしれません。
しかしながら、赤身肉にはビタミンB、鉄、亜鉛が豊富に含まれており、それらの栄養素を効率よく摂取するためには適度に食べた方が健康的だと言えるでしょう。
また、卵や乳製品・魚にも、植物性の食品だけでは日常的に摂取することが困難な栄養素が豊富で手軽に摂取できるため、必要な量は食べても良いと考えます。
また、普通の食生活を送っている人がいきなり肉や魚を食べないように切り替えるのは(特に日本では)困難であり、買い物や外食の際に選択肢がかなり制限されてしまうのでストレスも溜まってしまうことでしょう。
(米国のビヨンド・ミート社の代替肉のような商品が全世界に普及すれば変わるかもしれませんが…)
そういった点から、栄養・健康の面だけでなく、実行しやすさの面から見てもフレキシタリアンの考え方は優れていると言えますし、
多くの人がフレキシタリアンの考え方に基づいた食生活をするようになれば、動物の搾取や家畜からくる環境問題も緩和されるのではないでしょうか。
まとめ
ヴィーガンよりも手軽に実行できて健康面や環境面にも配慮できる「フレキシタリアン」の食生活。
「海外セレブに影響されている」とか「都合の良い考えだ」と言った声も多かれ少なかれありますが、デメリットがほとんどなく、様々なメリットがありますのでこの記事を読んで皆様が考えるきっかけになればと思います。
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